2023年元日に開催されたニューイヤー駅伝に、JFEスチール競走部のトレーナーとしてはじめて帯同しました。帯同期間は12月28日~1月1日までの5日間でした。
練習の合間に選手のコンディショニング
12月28日は移動日で、宿泊先の群馬県高崎市内のホテルには14時過ぎにチェックインしました。チェックイン後は、移動で強張った体をほぐすために各自60分ほどジョギングを行い、私も選手と一緒に走りました。
それからは、大会当日に向けて練習の合間に、大会に出場する選手を中心にコンディショニングを行うのが私の仕事です。
宿泊先では、ホテルの一室をトレーナールームとして使うことができ、スペースも十分あったのでベッドを置いても広々と使うことができました。
ここで選手のコンディショニングを行う訳ですが、これまで帯同してきた合宿とは違って、選手たちは元日決戦の大一番を控えています。
そのため、体のケアをするだけでなく、大会当日に気負うことなく平常心でスタートラインに立てるように、精神的な緊張を解きほぐすことも意識して対応しました。
とは言え、特別なことをした訳ではなくて、私が選手にプレッシャーをかけるような言葉を使わないようにするとか、あえて大会とは関係のない世間話をしてリラックスできる雰囲気作りを行っただけです。
選手たちは否が応でも大会のことを意識してしまう環境にいますからね。そんな感じで、大会前日までは過ごしていました。
大会当日は選手たちを間近で応援
いよいよ決戦の日。大会当日は、私は第1中継所である高崎中継所で応援することができました。宿泊先が高崎中継所まで500mほどの立地ということもあり、2区の選手が中継所に集合する時間に合わせて、ホテルから歩いて中継所に向かいました。
私にもチーム関係者のIDが準備されていたので、控室にも入ることができ、選手を間近で応援することができました。
中継所では控室に大きなモニターがあるので、2区の選手は1区の選手が走っている様子を見ながら準備をしていました。
2区はインターナショナル区間なので、外国人選手をエントリーしているチームが多く、控室は外国人選手ばかりだったのですが、レース前とは思えないくらいリラックスして楽しそうに会話をしていたのが印象的でした。
私は、そんな外国人選手たちの様子を観察しながらモニターで1区の選手の走りを見守り、中継所に近づいてくると外に出て沿道から応援しました。
現地でないと味わえない迫力
沿道からの声援は、中継所に向かって大きな波が押し寄せてくるような感じで、そのなかを選手たちが駆け抜けていく姿には、鳥肌が立つくらいの迫力がありました。この圧倒されるような雰囲気は、現地でないと味わうことができない貴重な経験でした。
襷を受け取った2区の選手がスタートすると、走り終えた1区の選手たちは大会運営のシャトルバスに乗ってスタート地点の群馬県庁に戻らないといけません。そのため、クールダウンをする暇もなく急いで着替えを済ませてバスに乗り込んでいきました。
1区の選手を見送って、私は一旦ホテルに戻り、続きはテレビ中継で応援しました。その後、チームがゴールする時間に間に合うようにタクシーでフィニッシュ地点まで移動して、すでに走り終わった選手とサポート役の選手、スタッフと一緒に応援をしました。
結果には必ず意味がある
チームは残念ながら目標の順位でのゴールは達成できませんでしたが、選手は最後まで諦めず頑張って走りました。思うような走りができず、肩を落とす選手の姿を見ると、トレーナーとしてもっと力になれたことはなかったのかな?と、いろいろ考えてしまいます。
勝負の世界は、時として残酷な結果をもたらすことがあります。でも、その結果には必ず意味があり、次に繋がるヒントもそのなかにあります。そのヒントをひとつでも多く拾い集めて、また次の目標に向かって頑張ってほしいと願っています。
この独特な雰囲気を味わうことができて、とても刺激的な元日を過ごすことができました。今回このような機会を与えていただいたチーム関係者の皆様には感謝しかないです。
また、来年もこの舞台に来れるように、私も頑張ろうと思います。